政治・行政に関する推薦図書


哲学、歴史・伝記、政治・行政、経済、社会・教育、自然科学、文学・言語といった多岐に渡る領域についての推薦図書をご紹介しています。

ソースは日本の幹部公務員養成機関である人事院公務員研修所がを公表している《若手行政官への推薦図書》です。図書の推薦に協力されたのは日本を代表する識者であり、このセレクションを信頼しない理由はありません。
経営幹部に必須といわれているリベラルアーツ領域の良著をぜひご覧ください。

政治・行政に関する推薦図書


◆各図書に関するコメントは人事院のページより引用しています。
◆上下巻など、複数巻に分かれる書籍については最初の巻のみ掲載しました。

 

poli01マックス ウェーバー (著)
本書は、M・ウェーバーの「経済と社会」の第3部6章「官僚制」を訳出したものである。ウェーバーは本書において、官僚制の基本的諸特徴を明示することを 通じて、その近代社会における必然的支配形式としての本質と現象形態を明らかにした。本書は、その後の官僚制研究さらには行政研究一般の理論的・理念的基 礎として位置づけられるものであり、それゆえこれを通読しておく価値は非常に高いと考えられる。
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poli02マックス ウェーバー (著)
官僚制度はどこの国でも当然のように採用されている制度であるが、なぜかわが国では、この10数年来官僚制度に対する批判がやまない。しかし、残念なことに、その批判には、近代国家における官僚制の存在意義にまで及ぶ根本的な議論はそう多くない。「職業としての政治」は、ドイツが第一次世界大戦(1914〜18)に敗れた翌年の1919年に、マックス・ウェーバー(1864〜20)がミュンヘンで行なった講演の記録である。大戦終結により、ロシア、ドイツ、オーストリー=ハンガリー帝国に君臨した三人の皇帝が政治の舞台から去った。皇帝の時代が終りを告げ、新しい時代を迎えるに当たって、一代の碩学であるウェーバーが、精魂を傾けて、国家統治のあり方、政治家と官僚の関係、官僚の自己制御などについてその見識を披瀝したものである。新に迎えた時代は選挙で国民が選ぶ政治家と専門家集団である官僚が統治する時代であった。官僚制度は、急速に発達してきた資本主義に最もふさわしい組織であるとウェーバーは認識していた。ほぼ1世紀を経てもなお、この講演は現代の官僚たちにとって貴重な教訓を得る価値を失っていない。薄い本です。この薄い本の中に、19世紀から20世紀初頭にかけての政治と行政が圧縮して、しかし読みやすく論じられています。イギリス、ドイツ、アメリカの政治史にもなっています。行政官吏が登場し、専門化し、政治は、この専門家集団に依存すること無しに経営できないことを一方では論じながら、他方で、政治が次第にフルタイムの職業政治家が登場し、政党が優位に立ち、さらにマスメディアを操作して人気政治家が政治を支配する可能性も論じています。公務員制度についてもアメリカのように猟官制から発達した国と独仏のように早くから専門官吏の発達した国の違いを論じた後に、有名な「政治責任とは結果責任」という議論になるのですが、ここは政治家に読ませたいですね。
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poli03マックス・ヴェーバー (著)
ウェーバーの政治評論を収めたもの。政治指導のあり方、官僚政治の問題点を論じる点でいまだに最高の著作。とくに「新秩序ドイツの議会と政府」「職業としての政治」は重要。「職業としての政治」は文庫版でも入手可能。
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poli04Karel Van Wolferen (著)
日本経済の絶頂期において日本の統治体制を全体的に激しく批判した有名な書。現時点で見て、本書の批判が当たっていた点、的外れであった点、改善された点、改革が試みられている点などを考えながら、日本の統治体制、特に政財官の関係の現状と今後のあり方を考えるとよい。翻訳書も出ている。※ カレル・ヴァン・ウォルフレン「日本 権力構造の謎」
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poli05マイケル サンデル (著)
最近のベストセラーであるので、お読みになった方が多いと思うがあえて推薦したい。公共政策に携わるものが当面する課題に取り組むとき、どのような基本的思想の下で政策を企画したらよいであろうか。例えば、正義の実現を目指すという目的を持つものとしよう。しかし、ひとくちに正義といっても、国民が何を正義と意識するかはその時代の影響を受ける。最近では市場原理がもてはやされてきたが、サブプライム・ローンが発端となった金融破綻以降は、それが正義にかなうものであるかどうか疑念が生じている。いったい何を基準に政策を判断すべきなのか。この本はその疑念に答えるものである。マイケル・サンデルはハーバード大学で政治哲学を講ずる教授で、彼の「正義」と銘打たれたコースはたいへんな人気をよんでいるようである。NHKによって彼が東京大学で講義をしたときの様子がくりかえし放映されたが、なるほどとうなずける巧みな講義であった。「これからの「正義」の話をしよう」は、現代に現実に起きた出来事とのからみで、西洋哲学に現われた思想を説明してくれる。正義とは何かという問いを軸にソクラテスから現代哲学の所説までが紹介される。ついこの間起きた出来事についての取り組みにアリストテレスを引用されると、2300年昔の思想になんだか新しさを感じるから不思議である。サンデル教授はあからさまに特定の思想を押しつけないが、そこがかえって説得力を持っている。政治は道徳の分野にも関与すべきだと考えるサンデル教授の立場は、フランクリン以来のアメリカの伝統的常識と良心に立脚するものであろう。この書を参考に、古今の哲学・思想を反芻しながら政策立案を行なうようになれば、わが国に於ける最近の政治・行政の揺らぎを正すことができるのではないかと思わせるものがある。
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poli06塩野 七生 (著)
著者がマキアヴェッリの思想のエッセンスを現代の日本人に提供したいという考え方でまとめたもの。語録の一つ一つは、政治行政を考える素材として極めてユ ニークなものであり、刺激に富むものである。リーダー、統治、国家、人間などについて具体的に論ずる素材として優れたもの。
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poli07野中 郁次郎 (著)
旧日本軍の組織的研究で、ガダルカナルの失敗やミッドウエイの惨敗の原因に、日本軍の持つ決定的弱点があることを明快に説明している。それは、戦いのなかにシステム対応が無く、コンテインジェンシ−プランが無く、戦力の逐次投入、分散があり、個々人の能力の過大評価があることをいっている。霞ヶ関の政策立案プロセスや危機対応においても、人間関係の過度の重視、情に流され、結果よりプロセス重視という傾向があるから、大いに参考になる。
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poli08ジョセフ S ナイ (著)
安全保障のあり方として、スマートパワー(ハードパワーとソフトパワーの組み合わせ)を説くジョセフ・ナイのリーダーシップ論。リーダーシップとは、目的に向かって人々を動員することであり、その源泉もハードパワー(誘導と脅迫)とソフトパワー(魅力)があること、リーダーシップの発揮には、フォロアー達がどこへ向かおうとしているかを直観的に知り調整する能力が求められることなどが述べられている。自分のリーダーシップのあり方を考えるヒントがある。
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poli09ジョージ・R・パッカード (著)
日米関係の基礎となるライシャワー氏の努力が理解できる。戦後日本の形成の基本書となるもの。
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poli10クリストファー フッド (著)
NPMの考え方をとり入れた異色の行政学の教科書。行政とはいかなる活動であるかを、制度設計、制度運用、そして環境適応等の視点から示してくれる。
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poli11ニッコロ マキアヴェッリ (著)
16世紀の君主国の指導者の心得をいろんな角度から書きつらねた本であるが、今日でも政治にかかわる人、特に上に立とうという人にとっては必読の書であ る。一国が安泰であるためには、対外的な権謀術数とともに武力を欠くことができないと言っているあたりは考えさせられる。キケロの「義務について」も良い本である。
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poli12安岡 正篤 (著)
政治家はもちろん、およそ何らかの政治性のある人々、政治というものを真面目に考えている人々のために、活きた思索と行動の力になるものが必要との観点から、東洋史上の多様な政治家の中から人物を選び、その人間観・政治観を明らかにしている。熟読してほしい。
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poli13ジョン・ロールズ (著)
政策の学としての経済学は、ベンサムの功利主義哲学に依拠して展開されてきた。ロールズの「正義の理論」は功利主義を徹底的に批判して、《善》の哲学に替えて《正》の哲学に深く根差した社会的評価の基礎を築いた現代の古典である。社会契約論の現代的再構成によって功利主義にとって代わるべき「公正としての正義」論を展開した20世紀後半を代表する名著。浩瀚な書物で、読破するには忍耐力も必要ではあるが、立憲民主制の哲学的基礎と制度構想について現代の知的状況をふまえつつ体系的に考察しており、その周到な理論展開をフォローすることによって国家社会の在り方を構想する知的作法を修得することを薦めたい。
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